gyouseiyamada’s blog

神戸の行政書士山田義範のブログです。ホームページはhttp://www.gyouseiyamada.jp/です。

認知症サポート養成講座

灘区の高羽地域福祉センターにおいて「認知症サポート養成講座」が行われました。私はこの講座を受講てきました。今回受講するきっかけとなったのは、母の介護があったからです。自分が行っている介護、そしてこれから社会において認知症患者と向き合うにはどうしたらいいかを一緒に考えてみたいと思ったからです。

当日の講師の方は、介護の学校を卒業して15年、うち13年は認知症の方を受け入れる施設グループホームにて従事する方が話をされました。13年間認知症の方のお世話をし、自分が当たり前と思うことを押し付けるのではなく、よく話をする、やりかた視点を変えて工夫すること、介護に正解はない、人ひとり違うのだから幾通りの方法をその都度考え、または時間をおいて試してみるとのことでした。

それと、隣近所や地域社会においては、認知症のことを知ってもらい、住み慣れた生活環境で今後も生活できるように、温かく見守ってほしい、困っていたらどうしたのという簡単な声掛けでもいいから、できることの少しでもいいから理解し行動してもらえたらいいなとのお話でした。

これまで認知という言葉は聞いたことはあり、知っていました。そして少なからず勉強してきました。しかし、勉強と実際に自分が関わることとはすごい差があります。

私はいま、母の介護にたずさわっています。日々、なぜできないの、なぜこうするの、なぜ?との疑問が浮かんできます。でも、当の本人は混乱しているのですから、できなくて当たり前なのです。

本を読んで学んだり話を聞いて学ぶのは数時間、数日のこと。でも実践は毎日です。休みなく続きます。そういった意味でも、介護施設で働く方には、ほんとうに感謝です。私も母に関わっていると言っても、朝と晩の話し相手と身の回りのお世話くらいです。24時間みているわけではありません。途中はディに行ってもらい、その間に仕事をしています。

百聞は一見にしかずとは正にこのことだと思います。身をもって体験することで、初めて分かることがあります。だからこそ、介護施設の人が体験したこと、介護している家族が身をもって体験したことを、それをしたことのない人に発信していくことは大事なことです。私は母のおかげで、認知症のことを学べ、体験できているのです。そして日々、考えさせられることがたくさんあるのです。

講師のお話では、介護の学校を出た同期の1/3が今も仕事を続けているが、2/3は介護の現場を離れ違う仕事についているとのこと。今後、介護を受ける方のうち認知を伴う人が1/3と増加する見込みです。これに対応するには、介護職の方に対する手厚いケアが必要なのではないかと感じました。いくら国の施策あるいは地方行政が「地域で支えあう」といっても、きれいごと、口だけの役所の人が一体どれだけ認知症の患者と寄り添ってきたのでしょうか。言うは易く行うは難し、机上ではなく実体験をした人や、現場の人の声が反映される政策を作るべきだと思います。

とはいえ、地域での協力は必要だとうなずけます。自分たちでできることは少ないかもしれませんが、人の善意を信じ、地域の方の助けを借りながら、支えあう気持ちを一人でも多く思ってもらえるようになってほしいです。その意味でも、今回のような認知症サポート養成講座に参加する人が一人でも出てきてほしいと思いました。そして地域のかたに認知症は高齢社会において当たり前の病気であり、どのような病気なのか、症状なのか、そしてどう接していくかを理解してもらえたらいいなと思いました。

私は前職の法律事務所の仕事で、後見業務を何件もしてきました。後見業務は、財産管理をメインとして被後見人(後見人によりサポートを受ける人)の手助けをします。この後見人には身内の方がなることもありますが、身内がいないとか、親子間や兄弟間でもめ事があるとか財産をどちらかが取り込もうなどの事情が見受けられると、士業といわれる弁護士や司法書士などが裁判所から選任されて就任することがあります。士業の方は介護のプロではありません。あくまで介護を除くサポートです。実際に私が法律事務所で担当したとき、介護のことは介護福祉士やケアマネ、介護施設におまかせでした。それは、多くの士業の方もそうだと思います。でも介護のプロでなくても、本人が望むことは何か、何をどうしてほしいのか、もっと本人と話をすることはできると思います。身の上話をするだけでもいいと思います、しかしそう思っても仕事をするうえではそうできない状況でした。そのこともあり、自分が士業を独立してするならば、もっと人に寄り添って仕事をしたいと思いました。そんな思いがあるから、自分が行政書士となった今、やはり後見業務は率先してやりたい業務です。

いま自分が母の介護を通して体験したことをプラスして、地域、社会の一員として、少しでも力になれたらいいなと思っています。