gyouseiyamada’s blog

神戸の行政書士山田義範のブログです。ホームページはhttp://www.gyouseiyamada.jp/です。

講演を聞いて

昨日3/25(土)、あすてっぷ神戸において「介護にまつわる消費者契約」というテーマの講演がありました。講師は、筑波大学の本澤先生で、法律学の先生です。

このテーマを見たとき、わたしの仕事にも関係するし、私生活においても興味深い内容だと思いましたので、聞きに行ってきました。

契約というと難しい内容ではと感じる方もいるのではないでしょうか。でも契約というものは、日常生活において意識しなくても関わっているものです。簡単なものでいうと買い物です。お客さんがお店の品を見て、その品を手に取り、お金をお店の人に渡し、商品を受け取る行為です。当たり前の行動ですが、これは申込みと承諾です。買うという申込みと、お店がこのお客さんに品を売るということを承諾する行為です。これって日ごろしている当たり前のことですね。この一連の行為が契約です。契約とは“申込みと承諾”という意思表示の合致なのです。

 こういう日常生活の簡単なことから、大きな買い物である車や家を買うことも同じ契約なのです。これらは売買契約ですが、物を買うのではなく、サービスを受けるときの契約もあります。

高齢者が介護保険サービスを受ける際にもいくつもの契約が必要です。訪問看護を受けるときも、デイサービスを受けるときも、施設に入居するときも、それぞれ高齢者と事業者とが契約をします。

2000年に介護保険法が施行されました。介護保険法では、加齢に伴う要介護状態、要介護高齢者の尊厳、残存能力に応じた自立した日常生活を営むことを目的としています。それと同時期に、社会福祉法も施行されました。社会福祉法では、高齢者が福祉サービスを受けるにあたって、事業者との間で不利な契約を結ばされないようにとの観点から法律ができました。

そしてこれらの法律施行に1年遅れて2001年に消費者契約法が施行されました。この法律により、消費者がより一層守られることとなりました。消費者契約法では、事業者の損害賠償の責任を免除する条項や消費者の利益を不当に害する条項を無効とするものです。

 福祉事業者であるプロと、高齢者である弱者との契約においては、弱者である高齢者を守ることを優先するというものです。

福祉サービスに乗り出す事業者は年々増えています。事業者の内訳をみると、医療法人や社会福祉法人といった医療従事者の経営母体だけでなく、株式会社・有限会社といった営利会社も増えています。こうしたサービス提供の事業者の数が増えればそれだけ消費者である高齢者の選択肢も増えます。ただし、事業者の数が増えるとそれだけサービスの提供内容は変わってきます。いくら法律で弱者である高齢者が守られているといってもすべてがカバーされているわけでもなく基本的なことしか守られません。だからこそ、契約をする際には慎重にならなくてはいけません。

高齢者はご自身で契約書を読み込み、その書かれた内容を判断していくのは難しくなってきます。こうしたとき、家族の誰かが契約に携わってくれたらいいのですが、核家族社会のいま、近くに子どもがいない、だから見てくれる人も相談する人もいないという人が多いでしょう。このような方は、後見(任意後見、法定後見)を利用されるのも一つだと思います。後見人をつけることで、安心だという人もいますが、管理されるようでイヤだという人もいます。

 私自身、行政書士として後見業務をして、高齢者を見守っていきたいと思っています。身近な行政書士に契約書を見てもらうという相談だけでも結構ですし、後見についても相談されてみるのもいいのではないでしょうか。

いずれにせよ、高齢社会において、高齢者が住みやすく、安心して生活できる社会であってほしいと思います。